東京倉庫協会は、戦後間もない昭和22年に東京都内の倉庫事業者25社により設立された「東京倉庫倶楽部」を前身としています。当初は、山手線沿線の当時の東京港の中心地帯にあってGHQに接収されたままになっている加盟企業の民間倉庫を取り戻し、国民経済の復興に資するため、国や占領軍に陳情活動を行うことを目的に活動していました。爾来、幾多の変遷を経て今日では75年を超える歴史を有する団体となっております。
当協会は東京に営業倉庫を持つ企業、また本社を東京におき営業倉庫が他府県にある企業で構成され、2024年6月時点で加盟企業数206社、所管面積の総計は290万㎡です。
物流業界は、「2024年問題」をきっかけとして新たな注目を浴びて来ています。このような時こそ、当協会としましては「倉庫業はサプライチェーンを支える物流基盤」という社会的使命を改めて認識し、豊かな社会の構築と経済活動の効率化に貢献していきたいと考えております。労働力不足と働き方改革への対応として、物流DXや標準化の推進は必須です。また、災害時にも倉庫の果たす役割は重要です。効率化と、持続可能な物流ネットワークの構築を業界における大きな課題と捉え、加盟企業の皆様とともに活動してまいります。
このような状況を踏まえ、当協会では、7つの常設委員会、8つの支部を中心に、年度の事業計画に基づき、活発な事業活動を展開しており、それぞれの委員会では、セミナーの企画や物流施設の視察会の実施、東京都や関係官庁と連携した災害支援体制の構築並びにホームページを活用したこれらの情報発信等、「PDCA」活動の実践に取り組んでいるところです。
また当協会は、加盟企業各社の情報交流の場を提供することも重要な役割と考え各種研修事業にも注力しております。例を挙げますと、倉庫の自主監査を推進し、適切な管理に必要な知識を習得するための倉庫管理主任者講習会、新人教育のための春・秋2回の新入社員研修、現地の生の情報を肌で感じ、参加者自身が業務に対する価値観を高めるための海外物流事情視察研修などです。
最後になりますが、今後も協会組織の強化、活性化並びに「会員の増強」に一層努めるとともに、加盟企業各社の事業活動推進に資する情報を詳細かつ速やかに提供していきたいと考えております。
東京倉庫協会
会長 藤井 信行
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